会報「建築士ながの」に掲載された会員からの意見や情報を紹介します
※文章量を削減してありますので、ご了承ください |
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| 2006年4月 |
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第1回安曇野建築展について
安曇野支部 桜満回
建築士の立場をおびやかす事件が多発しています。その辺りを考慮して計画
したというわけではないのですが、平成18年3月11日〜12日に、「第1
回安曇野建築展」を山光ホールで開催しました。まだまだ建築士の存在感が認
識されていないと思われるなかで、建築士の仕事や社会貢献の紹介、建築に対
する姿勢、夢実現のお手伝いの役割等のアピールが目標でした。
支部会員が設計・監理・施工した作品をパネル化したものを展示しました。
数多くのパネルが掲げられ、見学者も建物の良さを感じられたと思います。建
築士仲間同士も大きな刺激を受けた様子でした。
ホールでは、木工体験コーナーを設け、ふだんなかなか体験できないげんの
う、のこぎりを使って、えんぴつ立て・椅子・本棚・花台等をつくってもらい
ました。夢中でつくっている親子も多く、2日間とも全く空きがありませんで
した。ものづくりはやはり楽しいことなのでしょう。私たちは夢と感動を与え
る仕事をしているのだと実感しました。
外では、長野県に1台しかない地震体験車が設置され、震度7の地震を体験
してもらいました。思ったより怖くなかったとの意見が多かったのですが、地
震を予期して経験するのと、不意にくるのとではかなり違いがあります。安曇
野地方では大きな地震もなく危機感が少ないようです。いざという時のために
建築士会で耐震診断をすすめていこうとの話し合いもしています。
冒頭にも書きましたように、建築士をみる社会の目は厳しくなっています。
今回の建築展の目的は信頼回復のためというわけではありませんでしたが、信
頼の回復のために各支部で何か始めたら如何でしょうか。
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| 2006年4月 |
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青鬼の里
大北支部 池田昌彦
北安曇郡白馬村、北東部の岩戸山―山腹に位置している農村集落で、伝統的
建造物が多いことから、文化庁より「重要伝統的建造物群保存地区」に選定さ
れました。ここには、江戸後期から明治にかけて建てられた15棟の茅葺き屋
根の母屋と土蔵が建ち並び、今なお古くよりの集落の景観を維持しています。
前述の「重要伝統的建造物群保存地区」に基づき、建物維持には伝統的手法が
用いられ、使用部材等については材種、乾燥度等充分考慮の上用いられます。
集落の奥には、約200枚の棚田が広がり、田植え、刈取り時期には一層映
え、集落の屋根越に北アルプスの新緑、紅葉と雄大な景色が見られます。江戸
末期に開削された用水路青鬼堰も自然素材によるもので、今なお使われ豊かな
自然景観と一体となって、歴史的景観を形成しています。
現代にあってなお集落としての祭りや年中行事、堰の共同作業など古くから
の日本の原風景とも言うべき、習慣や農民文化が残されているふるさとです。
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| 2006年3月 |
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旧勧銀ビル保存問題に思う
松筑支部 匿名
旧勧業銀行松本支店は、昭和12年の建築で、数年前までみずほ銀行松本大
名町支店として営業していたが、銀行の統合により本町に移ってからは空きビ
ルとなっている。それ以前から大名町では空きビルが目立ち、行政と地元など
による「大名町あり方研究会」で活性化策について話合いがなされてきた。
建物を解体し高層マンション建設案が浮上する中で、地元を中心に建物の保
存を目指す会が発足し、募金・署名活動、講演会、タウンウォッチングなどが
行われた。銀行側からは具体的な活用案と買取り額の提示などを求められた。
市民の会は1000万円を超える募金を集めたが、目標には程遠く活用案も示
せず、取得活用を断念した。何人かの建築士仲間も協力し、活用案プレゼンテ
ーションにエントリーしていたが、「有望な大口出資希望者への配慮」を理由
にストップがかかった。独自に進めていれば活用案の提示だけでもできたかも
しれないと悔やまれる。
行政としては、取得はせず、市民活動として盛り上がりがあれば協力すると
いうスタンスであった。市民の理解が得られる活用方法が見出せないものには
出資できないということであろうが、もう少し積極的に取り組んでも良かった
のではないだろうか。
建物の評価については、設計者が渡辺節であるか否かが論点となった。資料
上では清水組の設計部によるものとなっているが、当時清水組のお抱え設計士
であった渡辺節がかかわっていたことは確実であろうし、どだい設計者が誰か
ということ自体が問題なのではない。その価値は、尖頭アーチの連窓、窓枠の
ディティール、城下町にふさわしい趣のある外観、商業中心地であったことを
示す歴史性、松本に残る数少ない戦前の鉄筋コンクリート造の建物であるとい
う稀少性などに見出すことができる。まちの将来の価値と目先の出資とを天秤
にかけた結果、出された判断は誰のためになるのだろうか。
松本市には他にも残したい建物がいくつかある。それらも取壊しの危機に直
面するのは時間の問題で、そのたびにこうした保存活動をするのかと思うと疲
れてしまう。
市では、文化芸術振興基本方針を策定した。市民(企業)と行政が協力し合
い、この方針に沿った施策・事業が展開されるなかで、旧勧銀ビルの保存活用
が実現し末永く愛される建物となることを願う。
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| 2006年2月 |
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「寒い朝」
上伊那支部 宮澤由人
「建築士ながの」の表紙写真と「会員の広場」の担当となり、正月明けに写
真を撮りに出かけました。
朝早い方が空気がきれいだろうと思い、眠い目をこすりつつ出かけました。
「なんの写真にしようか?」
「そうだ、光前寺に行ってみよう!あそこなら、参道に杉の巨木があるし・
・・」
光前寺につくと、お正月の賑わいとは別世界の風景がありました。寒いけど
空気がきれいで、気持ちいい。しかし、巨木のせいで境内のなかはうす暗い。
しかたなく時間つぶしに、大沼湖に行きました。全面に氷が張っていて、そ
の上にカモが寝ていました。「きっと、寝ている間に足が凍りついて飛べない
んだ。」昔話で読んだ文章を思い出しながらシャッターを押しました。
再び光前寺に戻り、「そうだ、今年は戌年だ!『早太郎』にしよう」
撮影テーマを杉の木から早太郎に変更して、境内にある早太郎と三重の塔の
写真を撮りました。
冬の朝って、寒いけれどなんてすがすがしく空気がきれいなんだろう!と思
い、三回深呼吸をしました。
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| 2006年2月 |
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『長野県 北高南低?』
〜地域経済自立度向上へ!〜
飯伊支部 櫻井善実
まだ高速道路も電子文字もない時代の話です。下伊那郡の山の中の元気の良
い若い県会議員が、道路網や箱物建設について、南信地方が北信地方に比べて
立ち遅れている状況を標記のように言い表しました。公共事業が過疎地域にと
っての主要産業であった時代には、箱の取り合いという南北問題は露骨で真剣
でした。歴史の過程もあるので、南北問題が存在することには止むを得ない面
もあります。また、似たようなことは他の県にも存在すると思います。
今日、世の中の仕組みは変わらざるを得ません。どこの自治体も財源不足に
よりその存続に四苦八苦しています。飯伊地方の経済自立度は、43.5%で
す。これは収入額を必要な所得額で除した値です。かなりの不足状況で、これ
を70%まで引き上げる目標を立てています。そのための主軸政策が、『天竜
峡エコーバレーPJ』で、企業誘致策を詳細に練り上げています。市民参加の
街づくり「産業経済版」です。私たち建築士も大きくかかわっています。大切
なことは輸出可能なメイドイン飯田の建築技術及び製品の創出です。このPJ
はその実践となろうとしています。私たち建築士は発注者がいなければ実力を
発揮できませんから、発注者の育成にも協力しなければなりません。このPJ
のうち環境産業公園では6企業が稼動し年間5千人以上の視察を受入れていま
す。機会があればご案内します。気軽に問い合わせてください。
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| 2006年1月 |
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夏休み木工教室
諏訪支部 牛山和利
現場や加工場の残材・半端材を寄付してもらい、その宝の山から材料を探し
出して自分だけの作品を完成させる「夏休み木工教室」
まずは作りたい物をスケッチ!材料をそろえたら墨付けをして自分で加工す
る。子供が自分でできるように補助するのが大人の役目。とはいえ、これだけ
のことができる親子はいない。材料も大きなものやかたいもの、丸太もある。
そこで我らの出番です。キラキラしている子供たちの目の前で、子供の漠然
としたイメージを定規と鉛筆だけでさっと図面にできる建築士。材料を加工す
る職人。カッコいいじゃないですか。切ったりカンナで削ったり。
やってみせてあげましたよー。子供も親もみんな大喜びでした。
とても良い天気に恵まれ怪我もなく最高でした。めでたしめでたし。
建築士会にはいろいろな職種の方がいます。みんなが楽しんで参加でき、そ
の力を発揮できる場所になったらいいなー。
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| 2006年1月 |
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プレ会員大会に思う
埴科支部 寺嶋由紀雄
先ごろ、私の所属しているネットワークから「建築士会のプレ会員大会でデ
ィスカッションをしてほしい」との依頼・・・・。「工事の事例発表で良いで
す。」との言葉に「ハイ」と返事をしました。
まずは、利用者さんに了解をいただかないといけない(個人情報に気をつけ
ないと、、、)ので、工事後の点検も含め訪問。
「こんにちは。その後使い勝手如何でしょうか?」
「実は今度、建築士の仲間の勉強会があって、介護のための住宅改修につい
てディスカッションをするんです。こちらの改修を事例として紹介させていた
だきたいんですがよろしいですか?」とお願いして了解をいただきました。
次は、パネラーの交渉。「やったことないから無理だよ」と言うケアマネー
ジャーさんに了解をいただいたのは、開催の2週間くらい前でした。理学療法
士の先生には既に了解をいただいてあったので良かったのですが、、、。
それから、資料作成スタート。限られた時間の中、仕事は横に置いといて、
間に合うことを目指しました。(今年は支部青年女性委員長でありました。)
そして当日・・・朝方まで最終確認をし、本番に向かいました。会場では少
し緊張気味でしたが、思いのほか普通に進行できました。少し地味なテーマだ
ったので、参加者には物足りなかったのではないでしょうか。もう少し準備の
時間があればよかったのか、、、。でも短時間でよくこれだけまとめられたと
も思いました。参加者から、「ごくろうさん」と声をかけていただき、ホッと
しました。
懇親会も盛大にでき、一応終了。いろいろ問題の多かった会員大会でしたが
プレ大会にしては成功かな?(私は“プレ”のような気がしていません。)
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| 2005年11月 |
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なんか変だよ現代人は
長野支部 無駄な文化を作る会代表カドケンさんちの黒姫原人
めまぐるしく変化する現代社会、物質主義から精神主義へ変化しているとい
われながらも、機能性や合理性ばかりが求められ、ゆとりなんて言葉は何処へ
やら。
さて、弊社事務所と我が家では、薪ストーブを使用しています。自然の炎は
気持ちをリラックスさせてくれますし、輻射熱の暖かさは他の暖房機器の比で
はありません。
先日、「薪はいくらで購入するの?」と聞かれました。薪は買うものだと思
っているようで、思わず苦笑してしまいました。実は、薪は廃材や伐採材をも
らい集め、定寸に加工し、貯木乾燥させて使っています。「薪はただですよ。
自分で休日に集めて作りますから!」と答えておきました。薪を買うとしたら
年間40〜50万円はかかります。近年まで薪は生活の必需品でそのつど必要
なだけ集めていたのに。古い日本はどこへ行ったのでしょうか?なんか変だよ
現代人は・・・
また、我が家では10年ほど前からバイオ式のゴミ処理機を使っています。
生ゴミを電動で定期的に撹拌、微生物で分解肥料にするシンプルなものです。
年に2〜3回ガーデニング用の肥料として使っています。
ところが、このバイオ用のチップ剤が高価でびっくりします。ゴミを処分す
るのに金を使うなんておかしい。自然界には物を分解するたくさんの微生物(
土壌菌等)が存在しているではないか。そこで3年ほど前に、枯葉などを分解
する菌を山で集めて試してみました。これが大成功で、良い有機肥料を作って
くれます。生きる基本を忘れていました。なんか変だよ現代人は・・・
古き良き日本を見直し、ちょっとだけスローライフに挑戦してみましょう。
何かが変わるかもしれません。杵と臼を見つけて、餅つきをやろうと思ってい
ます。
無駄な行動やごしたいことも ずくだすことも いいかも!!!!!
☆注
ごしたい=疲れる、しんどい
ずくだす=精が出る、やる気を出す
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| 2005年10月 |
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何かできることは・・・
須高支部 永井寛治
最近、「協働のまちづくり懇話会」に参加しています。ここには町民150
名ほどが参加しています。5部会に分かれて、部会ごとに基本計画等について
検討しています。総合計画における前期5年の課題を解消して、後期はどんな
町をつくって行くか、住民がどんな意見を持っているか、町はどんなことをや
ればよいのかといったようなことについて話合いをしています。限られた時間
の中で、意見をまとめるのは難しいのですが、住み良い魅力あるまちづくりに
つなげていきたいと思います。
私の参加している部会に「交通」があります。
長野県の運転マナーはあまり良くないと言われています。例えば、なかなか
車線変更させてもらえない(車間を開けると割り込んでくる)、右折車に道を
譲らない(直進車優先)、といったようなことが挙げられます。数珠繋ぎで車
が来る朝夕の交差点で、右折するのは非常にいやなものです。もう少し車間を
取ってくれたら右折できるのに、、、と思います。
そこで自分が実践していることがあります。私は自分が車線の先頭や中間に
いるとき、対向車が右折のウインカーを出していたら、なるべくゆっくり走っ
て前の車との間をとり右折させてあげます。横断中の歩行者がいないか、自分
の車線の後続に何台ついているか、結構気を遣います。せっかくの思いが対向
車に伝わらないときもありますが、対向車線の渋滞が、たったそれだけで緩和
できます。意思表示をすると、相手は挨拶もしてくれますし、自分が運転上手
のような気がします。
もし皆様も、時間に余裕がありましたら、譲ってみてください。たいして時
間に余裕がなくても、先の信号で赤だったり、少し先の交差点で前の車が右折
で止まっていたり、自分が右折で止まったりしますから、同じだと思います。
あまりお金をかけずにできること。強制的でなく自分から進んでできること
って、それぞれ実践されていると思います。そのことが沢山集まると、住み良
いまちづくり・魅力あるまちづくりにつながっていくことでしょう。
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| 2005年10月 |
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ためになる建築士会
中高支部 保倉利光
「信州木造塾」が開講されており、私は、北信代表の運営委員として参加し
ています。今年は三年目ということで、充実した内容になっています。講師の
先生方も、長野県にゆかりがあり、全国的に活躍されていらっしゃる先生方の
名前が連なっています。
初回は、工事中の「稲荷山養護学校」を題材にして、一時限めは、設計の北
川原先生の講義、2時限めは、構造担当の稲山先生の講義。今話題の県産材使
用公共建築物ということ、また、身近な話題ということも重なって、皆さん真
剣なまなざしで受講していました。構造の講義の中で、「木造耐力壁ジャパン
カップ」が行われていることを知りました。
一泊した後の二日目は、体験型講義で、伝統工法で刻まれたミニチュアハウ
スの上棟体験と材木の強度試験の見学を行いました。上棟の体験のない人は、
先頭に立ってカケヤを持って2階桁に上っていました。実験の方では、見慣れ
ない機械が並び、小さな含水計でも測定方法に悪戦苦闘していました。また、
教室には伝統工法の継手・仕口が並べられ先人の技術に感心させられました。
最終日の11/12(土)は公開講座となっており、藤森照信先生と住吉洋
二先生の講義となっております。皆様のご参加をお待ちしております。
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| 2005年9月 |
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建築士の役割
更級支部 ペンネーム蕎麦
最近、住宅を中心とした欠陥問題が社会的に脚光を浴びている。脚光を浴び
るというのも変な表現だが、さまざまなトラブルが表面化してきている。その
遠因には、地元の信頼できる建設業者に依頼するという請負図式が崩れ、展示
場で見た建物をあたかも車を買うような感覚で購入する世代が増えたこともあ
ると思う。
長野県弁護士会の消費者問題委員会が中心となり、建築士も参加して欠陥住
宅被害甲信越ネットが結成されている。私もこのネットにかかわるようになっ
て、さまざまな欠陥を見たり調査を行ったりしてきた。その中で感じたのは、
欠陥問題は単なる住まいの不具合の問題ではなく、そこに住む人の生活を奪う
ものであり、命の問題だということである。これは決して大げさな表現ではな
い。欠陥問題は、訴訟の中でも時間がかかるものです。欠陥住宅の被害者は、
経済的にも精神的にも追い詰められている人がほとんどです。弁護士からは、
なぜ建築士の質はこんなにも悪いのか、こんな欠陥住宅を平気で建てているの
か、という言葉が聞こえてきます。確かに同じ建築士として何でこんな工事を
するのだろうかと思ったが、施主と施工者のコミュニケーションがうまくとれ
ていればこんな問題にまでならずに済んだのに、、、と思うこともしばしばで
した。
全国ネットの長野大会が開かれた際のパネルディスカッションでは、設計に
加えて工事監理の重要性が述べられていたが、建築士の勉強不足も思い知らさ
れる。現在、建築士は5年毎の講習が義務付けられているが、それ以上の知識
と技能が要求されている。欠陥住宅を無くすためには、質の良い建物を建てる
という意識と責任を持って仕事をすることが大切である。そのことが建築士の
地位を上げることにつながるのだと思う。
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| 2005年8月 |
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“五感をくすぐる家”「三葉荘」
諏訪支部青年委員会 吉川宏
青年委員会のメンバー9人でチームをつくり、「温もりの家」設計コンペに
応募することを決めたのが昨年の忘年会。それから合うたび合うたび、各自の
思いや考えを出し合いまとめていったのが“五感をくすぐる家”「三葉荘」で
す。
「温もり」って何だろう。一人では感じづらい。人と人・自分と自分以外の
双方が共に感じるもの。私たちを取り巻く環境の中にあるもの。日々の暮らし
の中で感じていきたい・・・「温もり」。
そこから私たちの考えをまとめたのが「五感をくすぐる」という考えです。
今の住宅は、電気や化石燃料等のエネルギーをふんだんに使っており、一年を
通じて変化の少ない環境となっている。それに対して、住む人と建物や庭が互
いの働きかけ、四季を通じ日々の暮らしの中で、住む人の五感に働きかける「
温もりの家」。それが“五感をくすぐる家”「三葉荘」のコンセプトです。
アプローチを歩けば、一足ごとに新鮮なハーブの香りが漂う。春には、沈丁
花の花が咲き、家の中に香りが広がる。夏には、テッセンの花や葉がトップラ
イト面をおおいつくす。秋には、色づいた葉がトップライト面に落ちる。冬に
は、霜が朝日を浴びてキラキラと輝く。また家の素材が手足に感触を与えてく
れる。
私たちの案はフリーセクションで県の代表となり、関ブロでプレゼンテーシ
ョンを行いました。どの応募作品もすばらしい出来で、私たちのパネルは少し
色褪せて見えました。結果は千葉県に次ぐ次点に終わりましたが、満足してい
ます。
平成17年1月16日大雪の後、現地視察を行い、敷地を選定。住まう人・
家族構成や暮し方などを話し合い、家に対する思いや考えを出し合いながら、
一枚のパネルにまとめました。今思えば楽しい時間であったと思います。通常
の委員会活動とは少し違った貴重な体験ができたことをうれしく思い、今後の
活動の参考になればと思います。
関ブロにおいて設計コンペの場を設けてくださった関係者の皆さんに感謝し
ます。今後も設計コンペが続くことを望んでいます。
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| 2005年8月 |
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「安曇野市」誕生に伴うまちづくり
安曇野支部 ペンネーム園
平成17年10月に、穂高町・豊科町・明科町・三郷村・堀金村の3町2村
合併により「安曇野市」が誕生します。新市の名称については、一般からの募
集も行われましたがすんなり決まりました。「安曇野(あづみの)」という言
葉が、やさしく温かに感じられたのでしょう。これにあわせて、南安曇支部も
「安曇野支部」へと名称変更議論中です。
この地域の特徴はと言えば、アルプスの山々を背景に水田、麦畑、野菜畑が
ひろがり、その中に住宅が点在するのどかな田園の雰囲気でしょうか。
建物の特徴は・・・。街道沿いの昔ながらの街なみは少なく、庄屋さんの自
宅本棟造り等の建物が多いところでしょうか。
こうした田園風景を残しながらのまちづくりはなかなか大変です。
住民からの「まちづくり提案」がありますので、少し紹介してみます。
1. 安曇野市を世界遺産に
2. 田園都市「安曇野市」をめざす
3. 安曇野芸術大学の創設
4. 観光地から環境地へ
自然を残し環境や景観にマッチしたまちづくりや建物づくりを、、、との提
案が多くあります。迎え撃つ(建物をつくることは戦いだと考えています。)
安曇野支部の会員は景観にあったまちづくり、建物づくりに邁進しているので
す。
ただ実際には、難しさもあります。現豊科町に建つ長野県立こども病院の屋
根はオレンジ色で、景観にあわないという意見が多かったのですが、緊急の子
供をヘリコプターで運ぶ際に、空から一目でわかるようにしなければならなか
ったとのこと。景観にはあわないが、子供のためには・・・。難しいです。
安曇野市誕生に伴い、安曇野支部も誕生します。新たな気持ちで、まちづく
りや建物づくりに挑戦していきたいと考えています。
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| 2005年7月 |
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「2級建築士受験準備講習会の今後について」
松筑支部 上條千明
2級建築士の受験準備講習会が松筑支部で始まったのは、昭和30年6月と
なっていますから、約半世紀の歴史ある事業ということになります。私がその
責任者となってから十数年。ようやく次期担当者へ引継ぎ、自分なりに一応の
区切りをつけたという実感です。
講習会は6月の学科、9月の製図とわけて実施してきました。支部のメイン
事業で、多い時期には30人近い受講者がいましたので、支部の貴重な収入源
となっていました。ところがここ数年受講者数が減り続け、とうとう昨年は採
算ラインを割り込んでしまいました。
そこで、開催曜日を見直すことになりました。今まではウィークディの昼間
開催していたのですが、遠方から参加する人のことも考えて「土日の昼間がい
いんじゃないか。」ということになりました。
一方、連合会発行のテキストが廃止されるという情報が入りました。この講
習会の収支が不安定な理由のひとつに、連合会テキストの注文締切が、受講受
付の2ヵ月も前で、テキストが余っても返品できないことがありました。自前
のテキストであれば調整できるのですが、作成には莫大な費用がかかるので、
過去の問題を参考にして問題集を作成しました。先ず問題と向き合ってその後
講師が解説を加えながら解答を示すということにして募集したところ、17名
の申込がありました。昨年に比べると8名増でした。
講習終了日に受講者にアンケートをお願いしました。土日の開催がよかった
という人が大部分でしたが、ウィークディの夜間、同じく昼間がよいという方
も1名づつおりました。問題集を中心とした講習方法については、概ね賛成し
つつも「やはりテキストは必要」との意見もあって今後の課題となりました。
ともあれ一応の好反応に一安心というところです。
先の「建築士ながの」で上小支部がやはり2級建築士受験準備講習会につい
て書いておられましたが、受講者募集に苦労している様子は同じだと思いまし
た。情報交換をしたいものです。
この秋には製図の講習会も予定しています。連合会の製図用テキストも廃止
とのことです。テキスト注文の悩みからは脱しましたが、はたして今年の製図
の受講者は何人集まるでしょうか。
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| 2005年6月 |
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“青年建築士の集い”の活動を通じて
木曽支部 中田充謙
毎年行われる『青年建築士の集い』での発表題材・・・。木曽支部に限って
言えば、正直なところ毎年悩んでおります。「今年の集いはどうしようか。」
これは青年委員が集まった時に必ず出る決まり文句です。
毎年他支部の発表を聞くたび「しっかりやっているな〜。よし!次回はしっ
かり発表するぞぉ!!」なんて思うのですが、いざとなると結局は“尻に火が
つかないと・・・”状態になっています。
今年の発表内容も「そろそろやらなくてはまずいぞ」という訳で、皆で集ま
り“アレやコレや”といろいろ意見を出し合い、結果的に『木曽古民家再考』
ということで木曽谷一帯に数多く残されている宿場町の町家や農家など古民家
を調べることになりました。木曽にお住まいでこの地方の古民家や歴史に大変
詳しい田中博先生にご講義頂いたのを皮切りに、郷土館や福島関所、妻後宿な
どの建物を見てまわりました。地元に居ながら初めて行った場所や建築士とい
う立場ゆえに見せていただけた建物もありました。
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木曽は広い地域なので今回は数箇所しか見ることはできませんでしたが、他
町村にも文化財として残されている建築物も多々ありますので、引き続き調べ
てみたいと感じました。
発表に関しても、昨年あたりからパワーポイントを精一杯駆使し(初級者レ
ベルですが)発表できるようになってきました。できるだけ他支部の皆さんの
レベルに近づけるようがんばっております。
また、木曽支部から集いに参加するメンバーも増えてきております。私が青
年委員となって3年目ですが、1年目は3名、2年目は6名。今年は仕事の関
係もあって残念ながら4名だけでしたが、今年の2月に新入会員が4名ありそ
の内3名が青年委員になりましたので、来年は大勢で参加したいと思います。 本来は実践活動の報告ということなので、日常的な活動の結果を発表するべ
きなのでしょうが、今の私たちの状況はその逆で、発表のために活動すること
になっています。これは本来の姿ではありませんが、この活動があることによ
り、皆が集まって地元の事、建築士の事、それぞれの立場での悩み、自分の意
見などを交換できる素晴らしい機会が生まれたと感じています。皆で集まるこ
とで充実した発表内容にすることができます。そして集いの場を通して、他支
部の方とも親しく接する機会も生まれ、地元以外の様々な情報や意見交換もで
きて、とても良い刺激になります。
少しずつですが、「集いの発表にするために・・・。」といった積極的な考
え方が青年委員の中でできるようになって来たように感じます。これからも皆
で集まり“まじめな事”、“飲むこと?”いろいろな方面で有意義な活動を重
ねることによって、本来の『青年建築士の集い』にできるようがんばっていき
たいと考えています。
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