第17回青年建築士の集い報告
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大北支部 工藤哲秀

ドキュメント「すまいの倒壊・耐震実験」
地域実践活動 最優秀賞

  
 大北支部では、「すまいの倒壊・耐震実験」を行いました。
 この実験は、私たちが耐震・地震関連の講習会を企画したいと考えていた時に、
大町市に老朽化した市営住宅の空家があるという情報がきっかけでした。業者から
工学院大学の宮澤先生を紹介していただき、実験計画の相談をしました。予算面で
の対策から長野県、大町市、建築士事務所協会、防災協会にも協力してもらいまし
た。
 実験に使用した建物は、木造平屋(9坪)で、外壁はしっくい仕上(一棟はボー
ド張)の上に羽目板を張ったあり、筋交は入っているのですが金物を使用していな
い、基礎は無筋(アンカーボルト有)となっています。全部で3棟あり、補強無と
補強有に分けて実験しました。
 建物の解体方法は建設用重機で徐々に引っ張っていく方法をとったのですが、単
純に引っ張るのではなく、外部応力による建物の様々な箇所の壊れ方を調べるため
に6tチェーンブロックをかけて引っ張ることにしました。
 1棟目は、ボード張の建物を補強せず倒したのですが、筋交があるので震度6ク
ラスの変形角になっても意外に丈夫で正直驚きました。
 2棟目は、基礎の鉄筋補強を行い、ホールダウン金物を取り付け筋交にも補強金
物を取り付けて壁倍率を高めて実験しました。結果は、総重量約20tの重機が逆
に引っ張られてしまい、危険であるとの判断から中断しました。桁のみが弓なりに
変形し土台が引き裂かれるという状況になり金物の威力を目の当たりにしました。
 3棟目は、一般公開を行いました。午前中に宮澤先生の新潟県中越地震の報告を
兼ねた講演会を開催し、午後から公開実験に入りました。近所の方々や建築関係者
が大勢集まり、盛況でした。天井が落ちたり、建具が外れてガラスが壊れていく様
子、建物が変形して倒壊していく様子などにさぞ驚かれたと思います。
 今回の実験を通して、地震の恐怖をどこまで知ってもらえたかはわかりません。
ただ、筋交がバランスよく入り土台や柱の根元などが傷んでいなければ、古い建物
でも決して震度6クラスの地震で倒壊することはないということがわかりました。


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